卒業にあたって

さる3月3日(金)に卒業式を行いました。

卒業生は式が終わってからも、大学の合格発表や中後期試験、そして4月からの新しい生活の準備と忙しい日々が続いたことでしょう。

 今も、添削や受験報告等で登校する生徒がいますが、やがては旅立っていき、その顔も見ることができなくなります。遠藤周作の小説『深い河』の一文に、「河は人間の業をすべて飲み込んで今日も流れ続ける」とありますが、毎年この時期になると、喜びと寂しさが入り混じり、少しだけ時の流れが止まってくれないかと思ったりします。

 まさに3年間コロナ禍の中で高校生活を送った卒業生達。本校の伝統である文武両道を実践し、多くの成果をあげてくれました。何よりも、困難な事態にも動じず、苦境に打ち勝つという姿勢を後輩達に教えてくれたことに、最大の感謝と敬意を払いたい。君達が、新しい砺波高校の伝統を作ってくれたのです。

教育の理想は、教えを受ける者が教えを授ける者を超えることにあります。今、様々な面で我々を超えて逞しく成長した皆さんへ、期待を込めて、アメリカの人類学者マーガレット•ミードの言葉を贈ります。マーガレット•ミードは、二十世紀初頭から、いち早く人種差別や性差別の問題に取り組み、後生に大きな影響を及ぼした人物です。

「人への思いやりと行動する覚悟があれば、たとえ初めは少人数でも、きっと世界を変えられる。そのことを決して疑ってはならない。実際、それだけが、これまで世界を変えてきたのだから。」